全人格労働という言葉を聞いたことがありますか?産業医である阿部眞雄さんが著書『快適職場のつくり方』の中で、提言されている言葉です。労働者の全人生や全人格を業務に投入する働き方を全人格労働と呼んでいます。団塊世代の引退、少子高齢化等から労働人口はどんどん減っていき、求人を出しても人は入ってこず、一人あたりの仕事の持ち回りが増えている会社も多いのではないでしょうか。また、その環境の悪さから従業員が毎月辞めていく会社も見てきました。そんな中でもITの技術は進み革新的なサービスが生まれそれに必死についていこうと会社は従業員への要求を高め、従業員は疲弊していきます。その結果、うつ病患者や自律神経失調症に悩まされる会社員も多くなっていると聞きました。かくいう私も会社のために身を投げて働き、その結果あるひ突然身体が動かなくなり、身体表現性障害(自律神経失調症)と診断され求職を余儀なくされました。

今回は全人格労働によるデメリットをまとめます。今が健康体なのであれば、うつ病・自律神経失調症になってしまってからでは手遅れになってしまいます。まずは、全人格労働という言葉を知り、問題意識を持つことから始めてみましょう

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ブラック企業で蔓延している全人格労働とは

全人格労働

先程も申し上げましたが、全人格労働の定義は「労働者の全人生や全人格を業務に投入する働き方」とされています。ドイツの社会学者Siegristらが提唱している職業性ストレレスを評価しているモデルでは、努力に対してお金や社会からの評価が少ない時に人はストレスを感じるそうです。そしてそのストレスが心のコップの要領を超えてしまうとストレスが溢れてしまいうつ病や自律神経失調症になるリスクが高まってしまいます。話は少しそれるようですが、私が満足度を得るときはすごい安くてそこそこに美味しいものを食べた時です。味は高級焼肉店のカルビの方が勝るのですが、払ったお金に対する満足感が高ければ時として高級カルビよりもチェーン店の朝ごはんの方が満足することができます。つまりは「対価」だと思うのです。頑張った結果の対価が少ない給料であればそれは心のなかではストレスとなってしまいます。それが続くと搾取されてるように感じるようになります。夜遅くまで働いてプライベートを犠牲にして残業・ボーナスなしの働き方なんかを全人格労働の一つと呼べるのではないでしょうか。

全人格労働の職場で広く使われている言葉

  • 顧客満足度
  • プロ意識
  • 企業戦士
  • やりがい
  • いい仕事をする
  • 今日も徹夜です
  • 感謝

etc…。上記は一例ですが、ブラック企業で全人格労働の職場では良く聞かれる言葉です。もちろん良い言葉でもあるのでこれらの言葉が使われているすべての会社が全人格労働の環境であるとは思いません。しかし、これらの言葉を匠に操り断ることができなくなり追いつめられていくケースも少なくないので注意しましょう。

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全人格労働のデメリット…うつ病や自律神経失調症患者の増加

では、具体的に全人格労働の職場で働き続けるとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

以下のようなデメリットがあると考えられます。

  • 体調を崩しうつ病や自律神経失調症等になるリスクが向上
  • 家庭崩壊。最悪の場合離婚そして子どもとの離別
  • 病気リスクの向上
  • 結婚、出産のタイミングを逃す
  • 生涯賃金の低下
  • 視野が狭くなる

毎晩遅くまで仕事をし、休日を返上して無休で働いている方は周りにいませんか?またそれらの方は上記に当てはまっていませんか?自分が壊れてしまう前に一度問題意識をもってみましょう。

「[ブラック企業]全人格労働でうつ病・自律神経失調症患者が急増」のまとめ

タイトルにブラック企業と書きましたが、ブラック企業だけの問題ではないかもしれません。私の周りで全人格労働によりうつ病になった方は2年経った今でも社会復帰が出来ていません。会社は所属しているうちはサポートをしてくれますが、会社を辞めたらあなたの人生まで守ってくれません。結局のところ自分を守るのは自分だけなのです。

ワーク・ライフ・バランスという言葉はご存じですか?仕事とプライベートの時間を両立させましょうという考え方です。プライベートを充実させることで仕事のモチベーションも高める。よく欧米人は休みのために働き、日本人は仕事のために休むといいますよね。私がヨーロッパで生活しているときは少なからずその考え方に当てはまっていたと思います。

いつでも寝る時でも仕事のことばかり考えていたら頭が休まりません。家庭やプライベートが充実しているから仕事も頑張れるように家庭やプライベートありきの仕事にしていきたいと私は考えています。プライベートも仕事もうまくいくようにまずは全人格労働という言葉を認知し、問題を回避するために何が出来るのかを考えてみましょう。最後にですが、会社はあなたの人生まで守ってくれません。自分自身を守れるのは自分だけだと思ってください。身体を壊してからでは手遅れですからね。

 

今日は全人格労働という言葉に出会ったので、なるほどと思いこの言葉を広めて問題意識をもっていただきたいと思って記事を書きました。かなり真面目な内容になってしまいましたが、現在療養中ということもあり、健康であることの良さを知っていただきたいと考えました。

それではまた、ちくわでした。

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